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軽風はなぜ難しいのか(優月)

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こんにちは。昨日のレースでスタートで1つ下の方が1位。かたや私は叩くというレースを2本作り非常に悔しい思いでいっぱいの優月です。

先週のブログを読んだ方はおや?と思うかもしれません。マッチレースの戦術か艇のカラーリングの話をするって書いていたのに違うじゃないかと。まぁ、計画というのは計画した時点で成功しないものなので許してください。また、いつか書きます。

軽風は好きですか?

VRIの風は大きく分けて3つに分類されます。レーザーで必死にスネーキングしないといけない強風、1番気持ちいい中風、しんどい軽風。

さて、上の説明で具体的な風域をイメージできましたか?私はいっちょん想像できないと思います。そもそも強風、中風、弱風(軽風)って言い方がふわふわしてます。まずはしっかりとした言葉の定義を行いたいと思います。

定義してみた

強風は30knot以上!中風は15knot以上30knot未満!軽風は15knot未満!

こんな感じで風によって分類していいでしょうか?さすがに杜撰だと思います。VRIには多数の艇種が存在し、それぞれの艇には特有の特徴や性能があるわけですから、風域を風速によって一意的に定義するのはおかしい。そこで私は艇それぞれにそれぞれの風域を定義したいと思います。つまり、J70にはJ70の風域、49erには49erの風域を定義し、艇の数だけ風域の定義を設定するということです。

具体的にFormula18で風域定義を行いたいと思います。定義するにはSoheiさんが尽力してくださった風速による艇速角度図を使います。Formula18の図を見ていただくと風速5knotから10knotにかけて急激な艇速の増加、10knotから19knotにかけて艇速の直線的な増加、22knot程度から角度の良化が見られると思います。これらからFormula18の風域を19knotまでを軽風、22knotまでを中風、それ以上を強風と定義します。(クローズ限定)

つまり、艇速増加が顕著に見られる風速を軽風、艇速が定常状態に達する風域を中風、中風以上で角度変化が発生する風域を強風と呼ぶことにします。なので艇によっては強風が存在しない、ずっと軽風、構造が複雑で定義が困難な艇も存在すると思います。今回は全艇の風域を定義したいわけではないので、Formula18から得られた、艇速が定常状態に達するまでの風域を、以降は軽風と定義して使っていきます。

軽風はお好き?

さぁ、やっと見出しに戻って来ました。軽風、改め艇速が定常状態に達するまでの風域は好きですか?

私は大ッ嫌いです!!!

なぜか?まず、第1に時間がかかる。1Rに10分かかるなんてザラでそれだけでストレスです。そして、これが主な理由ですが、安定して勝てない。ファッ●ン軽風なわけですよ。

軽風はなぜ難しいのか

軽風で勝てない理由を考察していこうと思います。

軽風を最も特徴付けるのはブローでの加速ではないでしょうか?定常状態に入った船はブローで加速はほとんどなく、ただ振れを運んでくる風となります。しかし、軽風ではブローによる加速が非常に大きい場合があります。その場合、ブローに入っていない艇が団子の艇速なのに対してブロー艇は飛び値を得るわけです。飛び値を得られなかった艇は途端にパーフェクトコース、上位争いから逸脱してしまうわけです。

次に軽風と聞いて思い付くのは、全く予想ができない振れではないでしょうか?左に振れる形をしているのに逆振れになったり、全く形が見えないのに突如として30度以上の振れが入ってきたり、、、私が軽風嫌いなのは間違いなくこいつのせいです。皆さんも経験あるでしょう?ブローと同様に大きな振れによるゲインも飛び値となっていて、取り損なったら最後、下位に真っ逆さまです。上位争いのなかで逆海面に振れてジエンドとなったことが多数あります。わからないならば、艇団のトレンドに合わせればええやん!んー、ごもっともです。耳がいたい。しかし、そう簡単にはいかない事情があるのです。往々にして軽風レースは左右に大きくわかれます。というのもブローが左右に入ってくることが多いからです。なので、わからない振れが入ってくるころには同ポテンシャル艇は遥か先の逆海面に位置してることが多く、トレンドを合わせる()って感じです。

軽風は先行艇が非常に有利のように思えます。打開が非常に難しいです。軽風打開が得意な方がいらっしゃったら是非ご教授ください。ブローを見つけても先行艇が先にブローに入っているので、自艇が加速するまでにゴリゴリボートスピードでゲインされます。同じ海面で勝負する限り、果てしなく打開確率は低いです。艇速が定常状態ならば、カバーされない限りある程度距離を縮めるのは容易です。

最後に軽風の特徴かなと思うものは、艇速が遅いゆえに相対的に入ってくるブローやシフトが多いので中風以上のレースよりも必要な判断回数が増加しているように感じます。回数を重ねればプレイングミスの確率もあがり、その結果勝利を逃すこともあるかと思います。

 

どうすれば勝てるのか

自分でいうのもあれですが、私は打開が得意な方だと思います。なので、先ほどは軽風は打開がキツいと書きましたが、実際のところ納得いかない部分が存在するというか打開ラーとして認めてなるものかと思うわけです。本当に軽風は打開がキツいのか?

軽風の打開を難化させている要因はズバリ振れとブローがブレンドされるからです。中風以上ではシフトだけを考えれば良かったんですが軽風ではブローによるゲインも考えないといけません。どちらもプラスならいいのですが一方がマイナスだと問題は難しくなります。ラルだけどマークに近くなる風が見えた場合にどうするのか?感覚だけで解決は難しい。

そこで私が最近取り組んでいるのが艇速艇角度図を見ながらのレースです。現在の風を見ながらどの程度の艇速上昇が見込めるのか、あるいはシフトを取りに行くときにどの適度のラルならば許容できるのか、他艇の艇速などを考慮しながら判断を行っています。コースに関して伸び代を発見できたのは嬉しく思いました。

得意な風、艇種

ハンドリング抜きにして得意な艇種や風があると思います。なぜ得意なのでしょうか?

コースを引く際に判断基準をそれぞれが持ち合わせていると思います。それは十人十色のように思います。定量的なコース引きのガイドは存在せず、セオリーを各々が噛み砕いて感覚的に理解し、各々の経験に基づくセオリーとして再構築しているからです。

ある艇のある風が得意。けれども~は苦手、あるいは勝ちにくい。これが意味するところは、ある艇、風に対してコース引きの判断基準つまり癖がたまたまアジャストしただけの結果ということです。コース引きの癖は万人が持っていて、経験を重ねているほど癖に対して疑問は持ちにくいのではないでしょうか?

一度、軽風のコースについて本気を出して考えてみれば自身のコースの引き方に再発見があるかもしれませんね。

おわりに

軽風って苦手だなぁ、嫌いだなぁと思い書き始めたブログでしたがいかがだったでしょうか?問題は自分のコースの引きの甘さ(もちろん軽風の振れはクソなのは否めないですが)に収束したことにより、まだまだ上手くなれるなぁと実感しました。

今まで風の運ゲーだと思っていた軽風シリーズをシバきあげることができるかもしれないと思うとわくわくが止まらんです。

次回は艇のカラーリングについて書きます。たぶん、、、ではでは。

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