バーチャルレガッタ講座

いつでもどこでも誰でもeSailingを楽しもう!

F50

コメント(0)

艇種紹介、F50です。

艇の概要・スペック

実艇

開発年2019年
全長約15m(50ft)
乗員5名
形状フォイリングカタマラン

世界最速53kt(100km/h)のヨットレース・海のF1「SailGP」のワンデザイン艇。優勝賞金1億円をかけて争う。フォイリング率100%を達成。

VRI上での特性

Polar Diagram - F50
F50のPolar Diagram(風速20kt)。上り下りともドライブは可能だが高さは犠牲になる。ピンチは失速が大きい。
クローズだけでなく、ランニングにも唯一20kt上限がある。風速によってBestVMG角度はトリッキーに変化する。
上り限界◎ 6°
ピンチング〇可能
+4°ぐらい
最大艇速到達時間×時間がかかる
クローズVMG44° 27kt
ブローでの艇速変化
(上り)
〇大きいが加速に時間がかかる
上りドライブ
(VMGから更にベア加速)
◎大きい
ジブアビーム最高速95° 53kt
スピン判断角度・セット時間— —
スピンリーチ最高速— —
ランニングVMG155° 42kt
下りブローでの艇速変化〇風速に比例
加速に時間がかかる
下りドライブ
(VMG最高速からラフ加速)
△少ない
下りピンチング×失速大きい
(いずれの数値も、風速20kt条件下の測定値)

総評・コツ

特殊操艇が多い。
・フォイリングタック(ベア to ベアで、着水せずにタック)
・ピンチング。BestVMGからのベア・ラフの自由度と必要性が高い。
・加速に時間がかかるためリーバウを上突破・下突破できる。
・ブランケ範囲が特殊
・当たり判定が広い

艇の特殊操作・戦術

ライン有利とスタート加速の重要性

スタートラインの有利/不利は、ラインの傾きと風向の差で判断します。左振れ(前に回る)ほど上有利、右振れ(後ろに回る)ほど下有利です。

単純に「約95°アビームで第1マークを見通す直線上」がスタート20秒前待機・スタートライン交差場所の基本です。

左振れ(前に回る)ほど上有利
右振れ(後ろに回る)ほど下有利

最高速50kt弱に迫るには、95~97°の角度をキープして20秒以上が必要です。上艇のカバーや下艇のラフィング、遅い前方艇への追突回避で、思うように直進できることは少ないですが、ラフやベア、シバーで大きく失速する艇特性には注意が必要です。特にラフは70°で30kt以下まで急ブレーキがかかります。シバー操作も、ごく短時間ちょんちょんと操作するだけで十分に減速できます。

他艇を回避するときは、あまり大きく角度を変え過ぎない&シバーを使わないよう、大回り回避するようにしましょう。

特にF50は加速に時間がかかる

スタートのOCSルール

F50のみの特別ルールで、リコールしてもスタートラインに戻る必要はなく、そのかわり全艇に抜かされて最後尾になるまで失速状態が解消されません。複数のリコール艇がある場合、最後に(誤差が小さく)リコールした艇から順に解消し、最初に(誤差が大きく)リコールした艇が最後尾になります。

最終艇がなかなか追い越してくれない場合や、これを理解せずスタートラインに戻ろうとする優先リコール艇がいる場合は、いつまでもリコール解消されず、ひどい時は失速が解消された頃にはトップ艇が下マークを回っていることもありますので、リコール≒失格に近いと思った方が良いでしょう。

このOCSルールはスポンサーである本家SailGPからのVR社に対する実装要求なので、改善される可能性は低いという噂もあります。

なお、リコールが少し手前で判定するように感じることもありますが、厳密に艇体の一部が少しでもスタートライン(スタートまでは赤線、号砲後は白線)に触れたらリコール判定されます。くれぐれもジャストを狙い過ぎず、1艇身程度の余裕を取るようにしましょう。

F50のリコール判定は、少しでも艇体が赤線に触れたら。
 

特殊なブランケ範囲

F50は風速より艇速が速いため、真風下(垂下)よりも、艇の進行後方(航跡方向)に非常に長く伸びます。遥か正面前方に走る艇からも影響を受けることがあるので注意が必要です。
このためリーバウタックが有効に見えるますが、タック後の加速に時間がかかるため下/上突破されることがあります。(後述)
風上側・前方にもわずかにブランケが発生する。

クローズのブランケット

特に下りでも、風位の垂下ではなく、航跡方向にブランケが伸びるます。
他の艇種であればダウンウィンドは下位艇が優位で、逆転のチャンスが大きいですが、F50は先行艇が後続艇のブランケを受けることは、上り/下りを通じて一切ないので、圧倒的に優位です。

ランニングのブランケも、風下でなく航跡方向に伸びる

上りコースは限られたパターンが原則

F50はタック後の加速に時間がかかり、最高速に達してからなるべく長く直進したいために、よほど振れやブロー差が無い限りは、バウンダリ以外では原則としてタックしません。
そのため下図のようなある程度パターン化したコースを引くことになります。まず下マークは「ロング側を回って即タック」=右振れであればPマークを即タックが大原則です。

上り後半の振れ予想で、上マークアプローチ戦略が変わります。
右振れであればスタートエリアからPマークを狙うのが最強です、左振れであれば、なるべくポートで耐えて右端を取り、Sマークにスターボレイで入るのが最強です。

右振れ時のスタートエリア角攻め

「右振れ時は、右凸スタートエリアからPマークを狙う」を、もう少し詳しく説明します。
振れが小さい/戻ると、上マークに入れなくなるので、エリア角のギリギリを攻めることが重要です。スタートエリア内でオーバーセール気味にタックすることで、しっかりベア加速すると同時に、早くバウンダリエリアに入って20条権利を取得できるメリットもあります。
OUT判定は、概ねバウンダリ白線の中心を、艇体の中心(マストを目安)が越えたらなので、艇体の左舷端を白線の左端に合わせるように攻めると良いです。

リーバウタックの困難

リーバウタックの失敗例 (c)KG-R

タック後の加速に時間がかかるため;
・バウ先を通過後に上受けタック
  →加速中に、スピードに乗っている相手に下突破される
・手前で下受けタック
  →加速中に、スピードに乗っている相手に上突破される
・バウ先正面でリーバウタック
  →加速中に、スピードに乗っている相手がベアして下突破される。

リーバウタックの成功例 (c)KG-R

正しくは、上突破されないバウ先ちょい下でリーバウタックした後、下に入らせないよう&加速のためベアして、ブランケで相手を失速させてからBestVMGに戻すと良いです。

コメントを書き込む


Protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

まだコメントがありません。

×