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Nacra17

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艇種紹介、Nacra17です。

艇の概要・スペック

実艇

開発年2012年
全長5.25m(約17ft)
乗員2名(両トラピーズ)
形状フォイリングカタマラン

五輪のために開発され、2016年リオから正式採用されたフォイリング最新艇。

VRI上での特性

Nacra17のPolar Diagram(風速20kt)。上りピンチは失速が大きく感じるが角度が稼げるので40°ぐらいまで上せる。下りドライブが可能。
クローズは13ktで打ち止め。振れで走る艇の代表。クローズアングルは変則的に、ランニングは大きく変化する。
上り限界◎10°
ピンチング◎角度メリット大 +15°ぐらい
最大艇速到達時間×時間がかかる
クローズVMG54° 14.5kt
ブローでの艇速変化
(上り)
×風速14ktで艇速14kt上限
上りドライブ
(VMGから更にベア加速)
◎大きい
ジブアビーム最高速95° 25kt
スピン判断角度・セット時間100° 2.5s
スピンリーチ最高速125° 28kt
ランニングVMG147° 22.8kt
下りブローでの艇速変化◎大きい
下りドライブ
(VMG最高速からラフ加速)
◎大きい
下りピンチング〇やや可能
(いずれの数値も、風速20kt条件下の測定値)

総評・コツ

ブローより振れで走る艇の代表です。ハンドリングが難しい一方、BestVMGから外れたアングルの自由度が高く、またリーチングコースの有利不利などの知識と操艇感覚の両方が問われます。17ktでフォイリング音が聞きながら楽しみましょう。

艇の特殊操作・戦術

Nacra17は振れで走る

前掲の風速-艇速グラフのとおり、Nacra17のクローズは風速13ktもあれば最高艇速が14.5ktを出すことができ、それ以上はいくら吹いても艇速は伸びません。つまり、上りレグで風速13kt以上のブローを追うのは無意味で、それ以上の風域では振れのみを使ってゲインします。ブローの濃さよりも形(傾き)を見ながら、ラルに突っ込んででも、振れそうな海面を目指しましょう。
逆に下りレグでは風速に艇速が完全比例しますので、少々の振れは無視してでも、風速の強いところを走ります。海面の最も濃い所より風速ピークは少しズレていることがありますので、下りレグは風速計と睨めっこしながら走りましょう。

 

自由なアングルを活用する

BestVMGに依拠せずアングルの自由度が高い

クローズBestVMGは54°です。45°までピンチングすると失速が大きく感じますが、実は角度を稼げる分、さほどVMG速度(高さ獲得)は変わりません。上レイラインを少し割った際は、加速ロスが大きい2タックを入れるより、無理ピンチで入れることが多いです。またリーバウを打たれたり、ポート時にスターボ艇の前を切れるか切れないかの時もラフィングでの回避も一手です。逆に、角度を犠牲に63°まで落としても、大きく加速してVMGを維持できるので、ディップロスが少ないのと、上艇のブランケから離れたい場合にも利用できます。

ランニングBestVMGは147°で、150°以上へのベア(デッドラン)は失速が大きいので厳禁です。ラフィングは140°あたりまで、大きく加速しながらVMGを維持できます。下り後続艇に至近距離で被せられた場合は遠慮なくラフィングしたり、また少し距離があるなら、いっそ下レイラインを大きくオーバーセイルして振り切り、ラフ目にアプローチするのも定石です。

フォイリングを楽しもう

クローズでは通常ありませんが、オフセットマークに向かうリーチングや、強風時のランニングでは艇速が17ktを超えると、ヒールが突然フラットになり「キュイーーーン」という独特の風切り音でフォイリングが始まります。五感で艇速を感じることは、艇を速く走らせるために大事なことです。

加速に時間がかかる

加速に時間がかかるため、タックやジャイブのロスが大きいです。無為なタックは控えましょう。タック前の最大艇速を確認し、必要に応じてタック後にベアして最大艇速に素早く加速してからVMGに戻すなどしましょう。

ただし時間がかかるといっても、リーチングスタートでF50ほどの助走は必要なく、5~7秒程度でフルスピードに到達できます。

リーチングコースの有利とセール選択

リーチングコース(アビームスタート)でのNacra17は、セール選択とラインの有利不利が、「ライン傾きー風向のシフト」によって変動します。
「風が前~中立ならジブ95°、風が後ろに回ればスピン115~120°、左に振れると上に寄る」というのが基本です。ラインの傾きや、1マークの位置にもよりますが、以下は一例です。

  • 大きな左振れ(-20°)…上寄りからジブ約90°
  • 小さな左振れ(-10°)…中央からジブ約91°
  • 振れ中立(±0°)…下寄りからジブ約93°
  • 小さな右振れ(+10°)…上エンドからスピン約113° または下エンドからジブ約95°が互角
  • 大きな右振れ(+20°)…ライン中央からスピン約119°

ジブは最大艇速95°±5°、スピンは最大艇速125°±10°を外れると極端に失速しますので、他艇との駆け引きで注意が必要です。また、上記のVMCによる判断だけでなく、ジブの加速や小回りを優先したり、スタート後はしばらくジブで上し気味に走って、途中から角度をつけてスピンホイストする等の、臨機応変な対応が求められます。

最終レグ(2下マーク→フィニッシュライン)についても同様に、左振れであればスピン115°、右振れであればジブ95°でフィニッシュするのが基本です。2下レグを走りながら振れを確認して、下マークでのスピンダウンの要否を前もって判断しましょう。
「えっと、いま下りがスタボロングなので左振れ、最終レグは後ろに回るのでダウンせず、スピン115°フィニッシュでいけるかな。下マークはダウン不要か。」と最初のうちは頭で考えてしまいますが、徐々に感覚的・無意識に判断できるようになります。

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