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49er

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艇種紹介、49erです。

艇の概要・スペック

実艇

開発年1996年
全長4.9m
乗員2名(両トラピーズ)
形状スキフ

2000年シドニー五輪から採用された、こちらも海のF1と呼ばれる。長く張り出したバウスプリットとマストトップから伸びる強大なスピンネーカーでのランニングは20kt(40km/h)を超える高速艇。

VRI上での特性

Polar Diagram - 49er
49erのPolar Diagram(風速20kt)。ピンチは苦手、上りドライブは可能。70~90°はデッドゾーン。下りも原則としてBestVMG。
上り下りとも、強風であってもほぼブローに応じて艇速が伸びる。上りは強風でアングルが落ちるため、艇速が上がっているようで15kt以上ではさほどVMGは伸びないので振れとのバランス型になる。下りは強風域で大きく下る。
上り限界〇 8°
ピンチング×失速大きい +3°ぐらいまで”
最大艇速到達時間〇普通
クローズVMG46° 10.7kt
ブローでの艇速変化
(上り)
◎大きい。
ヘッダでもブローへ向かえ
上りドライブ
(VMGから更にベア加速)
◎大きい
ジブアビーム最高速65° 12kt
スピン判断角度・セット時間85° 2.5s
スピンリーチ最高速140° 16.8kt
ランニングVMG143° 16.4kt
下りブローでの艇速変化◎風速に比例
下りドライブ
(VMG最高速からラフ加速)
×なし
下りピンチング×失速大きい
(いずれの数値も、風速20kt条件下の測定値)

総評・コツ

風向はさほど気にせず、とにかく濃い海面を走る。ピンチやベア・ラフ加速が良くないので、上り下りともBestVMGが基本。スタートは全速・ジャスト重視。

艇の特殊操作・戦術

 

とにかく濃いところを帆走!

49erは、ブロー感応がとても高いので、振れをほとんど気にせず、とにかく海面の濃いところに向かいます。ヘッダであろうとお構いなしです。ピンチやドライブも効きにくいので、基本的にはBestVMGで余計なアングル調整はしません。例外的に振れで走るのは、超微風で海面の風速差がほとんどない時です。

大面積ジェネカーの特性とアビームのデッドゾーン

長いバウスプリットとマストトップから張り出した大面積ジェネカー(非対称スピン)は、強大な推進力と加速度を生み出します。
ただし深いセールはアビームよりフリーランニング向きで、J/70やBarcolanaに比べると上り角度は劣ります。

70~90°のアングルは、ジブでもジェネカーでも失速するデッドゾーンですので、リーチングレグではジブ最大艇速の65°以上は落とさず我慢し、オフセットマークが95°以上(65°から+30°=11時方向に見通し)の深さが取れた時点でジェネカーをホイストします。

スタートは空いている所から全速ジャストで

高速艇に多い、真風下ではなく航跡方向に長くブランケが伸びているので、スタートで出遅れると、やや下の先行艇の航跡~風下に吸い込まれやすいです。また最高速に到達するのに少し時間がかかるため、スタート前はなるべくシバーを使わず、ライン後方から全速で空いている所を狙い、シバーでなくベアで時間調整しながらジャストスタートを切ると、スタート後にクリアウィンドを掴みやすいです。これは強風から、超微風まで共通です。

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