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マッチレース論 (優月)

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こんにちは。2/15に行われた第一回マッチレース大会でばちこりと優勝させてもらいました優月です。実はあの大会、何としてでも勝ちたいなとBest VMGにWind shadowをつけるガチ両刀で臨んでいましたw Wind shadowは決勝の2上しか役に立ちませんでしたけど、、、

2回戦のvs sokenさんでヒヤヒヤした場面もありましたけど、本気で勝ちに行き、結果、勝ちました。今回のブログでは、MRLなどを通して培ったマッチレース戦術を書き記していこうと思います。読者の皆さんのマッチレース力を底上げして、日本のマッチレース、チームレース、フリートレースを激化させるのが狙いです。猗〇座風に言うならば「お前もマッチレーサーにならないか?」ということです。

私はVRIを始めて一年。マッチレースは始めてまだ3か月もたっていないと思います。そんな自分でも日本のマッチレース界隈で五本の指に入る程度の実力を身に着けることができました(自惚れかもしれない、、、)。そして、マッチレースの”至高の領域”に一番近いのは自分ではないかと感じています(圧倒的自惚れ)。私のブログを見てマッチレースって意外と簡単!!そんなことを感じてもらえたら幸いです。何せ、試行錯誤の三か月程度でトップレベルと戦うのに苦労しない実力をつけられるくらいですw 私と一緒に至高の領域を目指しましょう!!

はじめに

今回の記事で注目するのはスター級です。記事内の戦術は他の艇種でも通じる部分はありますが、スター級に特化しています。また、上記で述べた通り、私もまだマッチレース技術を完璧に仕上げたわけではないのでおかしな部分やより良い戦法が存在するかもしれないですが悪しからず。

そして、ご紹介する戦法を使用するには下記リンク先の動画程度のハンドリングがあれば十分かと思います。

スタート論

マッチレースの究極的な目標って何でしょう?よくスター級は2下レグで決まる、2下レグしかいらない(これは自分だけしか言ってないかw)なんて言われます。確かに往々にして、実力が似通っていれば2下レグまでもつれ込みます。その原因はスター級のブランケット範囲の広さと下りBest VMGです。こいつらのせいで50mほどの差ならばブランケットが届き2下レグでも戦いが続きます。しかし、差が50m以上ならばどうでしょう?ブランケットが届かないのでチェックメイトです。

私が思うにマッチレースの究極的な目標は下レグ突入までに50mの差をつけることです。差があれば先行艇は楽にストレスなく勝利することができます。毎回毎回下りで争うのはストレスですしw

下りまでに差をつけるにはどうするべきか。一番手っ取り早いのはスタートで差をつけることですよね。同ポテ程度でスタートしてしまっては、タッキングマッチや振れをつかまないと差をつけられません。

スタートでは二種類の方針があります。一つは相手の上でスタート。そして、もうひとつは相手の下でスタートですw これだけでは意味不明なのでちゃんと説明します。

まずは相手の下でスタート。これは単純に下でスタートするわけではありません。基本的にマッチレースはスターボを主張できる側が有利なので、よほど下振れしてない限り、相手の下でスタートすることは自ら不利なポジションに入ることと同義です。しかし、例外もあります。一つ前の文で”下振れ”の場合は有利と書きました。これは相手をホープレスポジションに吸い込むことができるからです。相手の下でスタートすることが有利に働く例外的場面は相手をホープレスに吸い込める時だけです。

そして、いかなる風の振れのスタートでも相手を確実にホープレスにねじ込める方法があります。本部船と自艇で相手艇をサンドウィッチしてやることです。相手艇は下に自艇がいることでベアできず、さらに上には本部船があることでラフをできません。相手艇をこのポジションに追いやれたら、前述の50m差をつけることが容易ですので、私は常に相手をサンドウィッチすることを考えています。面白いことに上有利のスタートであればあるほどこのスタートは刺さります。上が有利なのに下艇が有利になるのが面白いですw

次に相手艇の上でスタートする方法です。このスタートは上の追い込みに失敗したときに自分は使います。積極的には使いません。同ポテ程度でスタート出来たら相手が返してくるまで返さない。不利なスタートになることを悟ったらタックしながらスタートをするくらいでしょうか。

上レグ論

先行している場合と後続している場合、そして差が小さい場合と大きい場合の計4パターンについて書きます。

・先行していて差が大きい場合

このときにやることは一つです。常に相手をブランケットに入れ続ける。ある程度ブランケットに入れると相手が落ちて、ブランケット外に出てしまいますが、そのときにはドライブしてでも入れ続けましょう。スターのブランケット範囲がよくわかんない人はレースヘルプをつけるのがおすすめです。

・先行していて差が小さい場合

このときの方針は相手をレイラインに追いやることです。相手の左に位置している→スターボレイラインに追い出す。相手の右に位置している→ポートレイラインに追い出す。簡単ですね。

・後続していて差が大きい場合

このときの方針は上マークを5艇身以内で回航することです。数字は正直どうでもよくてようは下りでブランケットが届く範囲で回航しようということです。目標達成のためにするべきことはレイラインに到達しないことです。フレッシュだからという理由で同一タックで走り続ける人もいますがレイライン付近でより長い時間ブランケットに入れられてしまうパターンになります。理想はレイラインの二等分線を縫うように走ることです。このとき相手艇は自艇をカバーしてきます。そして、おそらくブランケットでしょう。なのでタックするときはベアタックが必須です。相手がベアタックしないならば、これだけで差が縮まります。

・後続していて差が小さい場合

目標としては10条、13条で相手を狩ることです。積極的にタッキングマッチを仕掛けに行きます。タックは差が大きい場合と同じで、真ん中を走るイメージで打ちます。また。相手艇の左側に位置していてレーンが離れていない場合には相手からタック狩りされる可能性があるので気を付けましょう。

 

下レグ論

下レグも先行と後続パターンで書きます。そして、簡単のため2下だけに限って書きます。

・先行している場合

初手即ジャイラフィングで大きく左に行くのが安定です。相手の左側でいつでもスターボの下を主張できるポジションをキープします。どこまで左に出せばいいか?諸説ありますが、私はスターボで130℃程度の落とし角度のラインがフィニッシュラインのゾーンに接するくらいまでは左に出したいと思っています。

スターのブランケットは自艇前方の上側でも届きます。しかし、130℃程度までラフィングするとブランケットが届かなくなります。自艇が先行していてなおかつ130℃程度までラフィングしている場合、相手が自艇を抜かすためには自艇より上側に出なければなりません。仮に相手が上に出たとしても、下で粘ったとしても、マークルームでシバけます。これが130℃程度のラフィングラインがゾーンに接するまで左に出す理由です。130℃以上のスターボでゾーンに向かえるエリアを仮にハビタブルゾーンと命名します。(省略のため)

ハビタブルゾーンに向かう方法は大きく二つあります。初手即ジャイラフィングでそのまま向かう。もう一つはジャイブを繰り返して向かう方法です。

真っすぐ向かう方法ではハビタブルゾーン近傍で行動が分かれてきます。相手が自分より左に出たがっているパターンとそうではないパターンです。自分より左に出たがっているパターンは比較的簡単で、自分が少しラフィングするフリをしてあげると相手は大きくラフィングしてきます。そして、相手が大きくラフィングすると同時に自艇はマークルームに向かいます。スターでの連続的操作性は非常に悪いので、ここで相手艇とは大きな差が付きます。相手が自分より左に出たがらないパターンは少し注意が必要です。このパターンでは10条あるいは11条で狩るあるいは圧力をかける必要があるのですが、攻撃するタイミングを間違えてラフィングで近づいたらラップが切れてクリアアスターンになってしまうことがあります。通常、相手とのレーンが離れていれば離れているほど早めにジャイブを返す必要があります。ラップが切れないような距離感で攻撃するのが肝要です。攻撃したら相手はおそらく自艇の左側を狙ってくるでしょう。ここで相手にマウントポジション(スターボの下)を取られないようにするのが必要です。相手の左側かつスターボでクリアアスターンにならない位置関係を維持します。あとはハビタブルゾーンに入るのを待ちます。

ジグザクで向かう方法です。これは相手との差が小さく、さらに相手が自分より左に出たがる人のときに刺さります。前述のとおり、このパターンの相手は自艇が少しラフィングすると大きくラフィングします。そのときに自分はジャイブをして今度は右に行くわけです。相手もジャイブしたら両艇スターボでラップはしていない状況になります。自艇はハビタブルゾーンに入るには再びジャイブをする必要があります。相手が上側でブランケットをかぶせなければならない位置関係ならば相手がラフィングしたときに自艇はジャイブします。相手が下側でも勝ち筋のある、ブランケットをかぶせることができるならば、自艇がポートのアビームで相手艇の前を切ることが可能な場所でジャイブをします。相手がジャイブしないならば、再びジャイブをして11条で狩りに行きます。相手がジャイブしたらポートの11条で狩りに行きます。このときに失敗して、相手にマウントポジションを取られそうになったら、すぐさまスターボに返して1から仕切り直しです。一連の流れを繰り返すことでジグザク走行になります。

・後続している場合

後続しているときに最も重要な考えは相手より常に落とすということです。最低限のブランケットにいれつつ、相手より落としていればそれだけで差はみるみるうちに縮まります。

次に大事なのは仕掛けない段階では相手の向かう先へ相手より出ないことです。つまり両艇ポートで左に向かっているとき、相手艇よりも左にはいかないということです。相手はフィニッシュするために必ずジャイブをしてきます。このとき、相手は自艇のブランケットを通る必要があり、さらに自艇はBest VMGで落とすことができます。このときに一番差が縮まります。そして、相手が自艇を横切る瞬間こそが一番の仕掛けるタイミングだからです。

上記二つを実行すれば簡単に追いつけます。しかし、抜くためには必ず仕掛ける必要があります。私は主に二つの仕掛ける方法を採用しています。相手が自艇を横切る瞬間に下側にラップしてそのまま11条。またはクリアアスターンからラップして11条というパターンです。前者は多少のハンドリングと通信速度を必要としますが、後者は比較的簡単です。

後続艇での仕掛け方は人によって得手不得手があると思うので、自分の必勝パターンを見つけてください。

おわりに

マッチレース論。どうでしょうか?マッチレースの戦術をある程度書くことで多くの方がマッチレースに興味関心を持って日本のマッチレース界隈が活発になればと思います。

JVRICでは毎週月曜日にマッチレース大会を開くとのことなので、みなさん奮ってご参加ください。ではでは。。。

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