バーチャルレガッタインショアを初めてプレイしたとき、iPhoneを使った。移動先でも遊べる気軽さ、操作性の良さから、長いことスマホが最強だと思っていた。
始めたての頃、ノートパソコンで試しにプレイしてみると、舵の反応のあまりの悪さに衝撃を受けた。パソコンのスペックが低かっただけかもしれないが、本当に話にならないほど舵がきかず、艇がくるくる回った。
あれから約2年が経ち、そこまで期待することなくあの頃と同じノートパソコンでプレイしてみたのが最近のこと。なんと舵がまともに操作できるようになっている。ノートパソコンが勝手に高スペックになることは考えられず、おそらくVRIのアップデートのおかげだろう。パソコンでVRIができれば配信するのに便利だろうと考え、さっそく練習を始めた。
キーボード操作に慣れるまでは苦戦したが、数日のうちに慣れた。たまに通信状況が悪いときはありつつ、ノーヘルプでの操作もラクラクだった。
VRIのなかで説明がないキー操作が隠されていて、自分でいくらか探した後、Sohei NIPPONさんがむかし共有してくれたキーボード操作説明を見た。
そこに、私の目をひきつけて離さないキーの説明がひとつあった。
F…替)全インジケーター非表示/表示
パソコンのVRIには、スマホにできない操作が標準搭載されている。たとえば、バックミラーはスマホでは課金してVIPにならないと使用できないが、パソコンならVIPじゃなくても使用できる。
そして、このFキー。スマホでは課金しようが何しようができない機能が、パソコンでは無料で使えるというのだ。私が知らないだけで、スマホでも特殊コマンドを打てばFキー同様の切り替えができるのかもしれないが、たぶんできない。
全インジケーターとは、タックボタン、舵ボタン、右上の風速計等、左上のまるいやつ、順位表、などなどすべてのこと。これらが表示されていないとスマホでは操作できなくなるため、非表示にすることができないのだろう。パソコンなら操作はカーソルを使うことなくキーボードのみでもできるため、非表示にしても問題はない。
私がずっと望んでいた機能のひとつに、レース中に表示されるVIP専用情報のオンオフ切り替え、というものがあった。
私はノーヘルプでのプレイを好み、一番質素なスタイルでのプレイを好む。レース中のVIP機能は、これまでの大会でほとんど活用してきたが、できることならVIP機能を封印して臨みたいときもあった。でも少し前まで、カスタムレースを作るためにはVIPじゃないといけなかったため、VIPをやめることは難しく、さらに認証プレイヤーになるとVIPはなおさら自分についてまわる。スマホではその機能をオフにすることはできない。だから、この贅沢な機能は仕方なくあるものと考えて活用することにしていた。
このFキーは、VIPにしか与えられない情報を、すべて消してくれる。私がやりたかったことは、ずっと前からパソコンで簡単にできたことらしいのだ。さらにその他リアルセーリングでなかなか得られない艇速や風速の情報なども消せるとくれば、ノーヘルプeセーラーの血は突沸するほかない。難しさとは、楽しさなのだ。
気づいた。そして恥ずかしくなった。私はこれまで緑トークンが必要なヘルプを使わない、というだけのことで、心の中で気色の悪い得意顔をしていた。ノーヘルプにさえすれば、eセーリングの競技性を最大まで高められると思いこんでいた。リアルに最も近い状態だと思いこんでいた。
私はリアルセーリングが好きだ。できるかぎりリアルセーリングと似ているゲームをしたい。だから、いいパソコンを用意して、通信環境も整えて、ボートがワープしたり急加速・急減速・急変針しないようにしたい。
ああ、これがeセーリングか。
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