艇種紹介、Formula18です。
開発年 | 1994年 |
全長 | 5.52m(18ft) |
乗員 | 2名(両トラピーズ) |
形状 | ノンフォイルカタマラン |
ボックスルールと呼ばれる、比較的自由な設計が許される。重く頑強な艇が多い。スピードカタマランの先駆け。
上り限界 | ◎10° |
ピンチング | 〇可能 +5°ぐらい |
最大艇速到達時間 | ×時間がかかる |
クローズVMG | 48° 12.5kt |
ブローでの艇速変化 (上り) | ×風速19ktで艇速12.5kt上限 |
上りドライブ (VMGから更にベア加速) | △やや有り |
ジブアビーム最高速 | 90° 20kt |
スピン判断角度・セット時間 | 100° 2.0s |
スピンリーチ最高速 | 105°/130° 22kt |
ランニングVMG | 139° 19.3kt |
下りブローでの艇速変化 | ◎風速に比例 |
下りドライブ (VMG最高速からラフ加速) | 〇ややあり |
下りピンチング | 〇やや可能 |
Nacra17に似ているが、微風~中風ではやや上りのブロー感応があり、バランス型。加速が重く、タック/ジャイブロスが大きい点ではF50にも少し似ている。
Nacra17に似ていますが、加速や旋回がやや重く、Nacra17よりブロー感応もあるため、風速19kt以下では振れとブローをバランスよく選択する必要があります。フォイリング艇ではないので、タック時やリーチングレグで、それに配慮した特殊操艇は必要ありません。Nacra17とF50とJ/70を足して3で割ったような艇です。
F50ほどではありませんが加速に時間がかかるため、タックとジャイブ回数は節約しなくてはなりません。上りレグでは「あっちかも」という曖昧なタック判断はせず、「あっちだ」と確信をもったタックのみを行うようにしましょう。
下りでも、特に他の艇種とは異なる特性として、ジャイブ失速が大きいのと加速に時間がかかることから、先行艇にバウ先でジャイブを打たれると、1~3秒後に追突して12条を取られることがあります。バウ先に入られたら「大丈夫」と思わずに、早めにラフ、ベアまたはジャイブを判断して、きちんと避けましょう。
上り・下りともブランケ範囲は広めの強めです。上記のタックロスとも相まって、上りレグでの逆転は難しく、言い換えるとスタート(ジャスト+最速)で勝負が決まる比重が高いです。
また下りレグでは、コース両端に突っ込みすぎると、後続艇にレイラインでカバーされて逆転されやすいので、下りレグの序盤から下マークまたはフィニッシュラインの有利側を意識しつつ、なるべく中央をキープしながら、争いを避けたクリアウィンド重視で走りましょう。ただし他艇種同様に下りブロー感応も強いので、後々続艇を使ってうまく後続艇を外せれば、レイラインや更にオーバーセイルのブローを使って伸ばすこともあります。
上り・下りともドライブ加速は効いて慣性で伸びるので、大きく上りベア or 下りラフして他艇のカバーから逃げられる自由度は高いです。
ポーラーチャートを観察すると、ジブは90°で最速20ktですが、±20°も動かすと大きく失速します。また100°以上取れるならスピンが伸びますが、それ未満のスピンは厳禁です。「ジブは90°以上落とさない。下艇・直近後続艇がなく100°以上取れればホイスト」を覚えておいてください。
またホイストの作業時間は短い(2.0秒)ものの急減速するので、後続艇に下にフックされないようにするのと、オフセットマークなどでホイスト開始した先行艇に追突しないよう、進路をずらしましょう。
最近では緑レースに登場することも無く、「こんな艇があったの?」「ボート管理画面・チュートリアルでしか乗ったことが無い」という人も多いのではないでしょうか。カスタムレースや大会などで、この乗り慣れていない艇が登場すると困惑することもありますが、得意とすると他のスキッパーに差をつけることもできるので、ポーラーチャート観察とチュートリアル試乗で、十分に特性を理解しておきましょう。
Protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.
まだコメントがありません。