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フラット最強仮説 (KG-R)

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ヨットはフラットで走らせたりあえてヒールをつけて走ったりする。でもなんとなくフラットが速いというイメージがある。だいたいの場合においてはそのイメージが正しい。おそらく。

であるならば、と考えてみる。
フラットが速いという帆走法則があるならば、ヨット以外のモノにも同じような法則が成り立つのではないか。

フラットから連想する単語。バランス、安定、中立、平穏。
これだけ思いうかべてみても、いろんなモノにフラットという考え方は適用できそうだ。何でも取りあげることはできるが、ここはバーチャルレガッタのwiki。関連するモノを選ぼう。

ヨットレースに関わりながらヨットではないモノ。そもそもVRIではヒールトリムの操作は用意されていない。ゲーム世界の外側に目を向けてみる。
VRIをするためにはスマホやPCなどのデバイスが必要だ。デバイスの画面はフラット、だがそれはたいてい固定されている。
デバイスの持ち方や置き方であれば調整できる。スマホ画面を地面と平行にしてプレイしたら速くなるかも、なんていう話もできなくはない。でも残念ながらそれは私が手をつけていない領域の話で、頭をひねって考える予定もない。詳しい人がいたらむしろ教えてほしい。

画面の中のボートでもなく、画面を表示させているデバイス自体でもなく、デバイスと地面の関係でもない、ときたら選択肢は1つしかない。プレイヤーだ。プレイヤーの胴体と地面を平行にする、つまり仰向けかうつ伏せでプレイすると速くなるかも、という話をしたいわけでもない。そういうプレイスタイルが合う人もいるかもしれないが。

さて、ここまで引っぱってきたらもう本当に1つしかないだろう。プレイヤーの体ではないなら心だ。精神。メンタル。ところで心は「物」か「者」か。

心におけるフラットとは。
まず思いつくのは、緊張しすぎていない冷静な状態、感情的になりすぎていない落ちついた状態、などだろう。本番は練習のように、というような。そのような精神状態はたしかに良い結果をもたらすだろう。それは皆知っているし、そういう状態を作る難しさもおそらく知っている。私もいまだに心の制御方法はよくわかっていない。

ここで、勝ちを求める気持ちについて考えてみたい。
勝ちたいと思うと、そこから緊張が生じたり感情的になったりしてミスにつながることがある。そこで、勝たなくてもいいやという振りをしてみると、緊張感も興奮も何もなくなり、ただ負けて虚しくなったりする。

勝ちたいと思うからこそ集中力が高まって良いパフォーマンスができることがある。一方で、勝ちたいと心の奥で思いながら、その気持ちが競技最中の精神状態をほとんどジャマしないこともある。

あらためてフラットについて考えてみる。
ヨットのフラットは、実は2種類ある。海上のフラットと陸上のフラットだ。海上のフラットは意識して作るもので、陸上のフラットは何もせずに作られているもの。
それなら心のフラットも2種類ある。勝手に動く感情を何とか制御して作るフラットと無感情のフラット。無感情のフラットに速いも遅いもない。フラットが速い、というのは言うまでもなく海上限定、帆走中の話なのだ。

と、ここで次のような映像が浮かぶ。
心の中にヨットがあって水面に浮いている。そこに私が乗っている。ヨットに吹きつけるのは感情で、私は感情の変化に合わせてセールトリムやヒールトリムをするものの、よくヒールするし、アンヒールもするし、ちゃんとオーバーヒールもする。
うん、なんだか楽しそうだ。

このブログで自分の考えをまとめたおかげで、しばらく抱えていた1つの疑問が少し解けたような気がする。Sail GPのドライバーの話。
トム・スリングスビーは感情を表に出すタイプで、ネイサン・アウタリッジは常に冷静で穏やかなタイプ。
以前までの私は、この2人は心のヒール度合いが違うのにどちらもトップセーラーで、そのどちらのスタイルがより良いんだろうと考えていた。トムは心を少しヒールさせていて、ネイサンの心はほぼフラットだという捉え方は間違っていて、2人とも勝ちに貪欲でありながら完璧に近いフラットな心を作れているからこそ速いのだろう。そのトリムの仕方が違うだけなのだ。

それにしても他の疑問が残る。
前回のブログ「不可思議でワンダー」で書いたような、無感情に近い状態でも良い結果が残るときがあるのはどうしてだろう。勝ちたい気持ちはそんなに大事なものでもないのだろうか。

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