日本時間 5/29(土) AM4時スタート、オリンピック・バーチャル・シリーズ(OVS)のリオデジャネイロ→東京レースや、白井康次郎さんがアジア人初完走された世界一周単独無寄港レース「ヴァンデグローブ」で、外洋レース版のバーチャルレガッタ・オフショア(VRO:Virtual Regatta Offshore)も話題になっています。
筆者も初心者マークですし、また本サイトはVRIのサイトなので深くは書きませんが、無課金でも、ある程度は上位に食い込める操縦を理解できたので、VROの操作説明・手引きも兼ねてシェアしたいと思います。
まずスタート時刻までの準備操作を簡単にご紹介します。
メニュー画面のレースパネルで、右上の「i」アイコンをタップすると、おおよそのレース所要日数と、レース打ち切り日時が表示されます。私生活との兼ね合いで、参加する・しないの目安にしましょう。
参加したいスタート待ちレース、またはスタート済みのレースパネルをタップすると上記のような画面が出ますので「PLAY」ボタンを押すと、ボートの準備を始められます。
スタート済みのレースに途中参加することもできますが、フィニッシュ前にレースがクローズされる場合があることは予め覚悟しておいてください。
参加ボタンを押すと、初期費用がもらえます。下の方に「*Only for this race」と書いてあるとおり、貯めておいて他のレースに転用することはできませんので、このレースで使い切りましょう。
ボートセッティング画面では、いろいろなオプションがありますので、もらったコインを有効に使いましょう。左側のポーラーチャートの見方は、大外の黄色い枠が、オプションをフル装備した際の最大性能、緑色の部分が購入対象(上記でいえばHull polish)で得られる実装効果です。
ボートの準備が終わると、スタート地点でスタート時刻を待つことになります。スタート時刻になれば、左下のコンパスにセットしている方角に勝手に走り始めます。
VROのレース中画面や操作をご説明します。以下のコースの引き方に関しては、あくまでも「無課金」で「就寝時間中は絶対に触らない」を死守する筆者の我流メソッドです。あくまでも操作説明のための例ということで、ご了承ください。
手順① +3~5日後の予報を見て、大まかな方向を定める。
手順② ①で決めた方向で、自動経路計算を参考にする。
手順③ ②や24h予報などを参考に、2点プログラミングを設定する
手順④ 到達予想点が最遠になるように③と現在方角を微調整する。
手順⑤ 毎日決まった時刻の生活習慣で、自動セールチェンジを更新する。
上記の具体的な手順をご紹介します。
3~5日後までの海面を眺めながら、なるべく風速が強い海面、またはシフト有利な海面と進路を大雑把に選びます。
例えば3日後から右振れが来そうなので2日かけて予め右へ寄っておこうか、といった基本方針です。VRIで遠くの海面を見て、大まかに右へ行きたいか、左へ行きたいかを決めるのと同じです。
この際に使うのは、予報スライダーと、風速風向計です。PCの場合は、風速計を使わなくてもマウスポインタを当てるだけで、予報の風向と風速が確認できます。予報海面上でこれを動かして、一番風速が強い、風向が良いポイントを探して、風向風速計を目標の目印として置いておきます。
①で決めた方角に向かって「Express Routing」で24h自動経路計算を行い、参考にします。VIP課金ユーザーであれば、5日先まで自動計算な上に、そのまま自動操縦に落とすことができるらしいのですが、無課金ユーザーなので「参考に」するだけです。
後述しますが、自動経路計算をオートパイロットにそのまま設定するより、手動設定のほうが厳密には到着がわずかに速いというのもあります。
一方で自動経路計算では、ポーラーチャートだけでは判断しにくい最適なVMCやタックポイントを見つけられたり、①で自分が思い描いていた24hコースでは見落としている要素や、別の最速コースが存在することに気づかされることもあります。
自動計算された経路表示は、ほかの操作をすると消えてしまうので、タックポイントなどに風向風速計を目印として重ね置いたりしています。
②を参考に、次に操作できる〇時間後までの自動転舵プログラムを2ヶ所だけ仕込めます。睡眠中や操作不能時間時間中に島の回航や、風向の反転がある際は、2点では足りないのですが、そこは無課金なので大回りや、わざと安全なところに着岸して艇を止めるなど、妥協して割り切るしかありません。
現在進路やプログラミング進路の設定では、コンパス右下の青い鍵マークで「直進進路/Heading」または「風向に対する固定角度/AutoTWA」が選択できます。(TWA…true wind angle/真の風向に対する進路角度)
直進進路 / Heading | 風向固定 / AutoTWA |
進路方角が一定 直線コース | 風向に対する角度が一定 曲線コース |
必ずしも風向に対する最適角度でないため、AutoTWAより遅い場合が多い。 | 風向に対する最速角度を維持できるので、直線より速い場合が多い |
予報が外れた場合も、線は変わらず到達時刻だけが狂う。陸が近い場合は安全。 一方で、風位に向いて止まったり、デッドランで失速するリスクがある。 | 予報が外れた場合は、進路と時刻が大きく狂う。陸が近い場合は危険。 一方で、クローズ・ランニングを維持でき、失速リスクは無い。 |
まとめると、原則としては、ポーラーチャート上の最適角度を維持でき、特にクローズ・ランニング近くで失速リスクが低いAutoTWA(曲線経路)を中心に走ります。例外的に、陸が近い場合や、風が回ってもアビーム~リーチングでセールを合わせながら直進した方が速い場合のみ、Heading(直線経路)を使います。
予報スライダーでは例えば+12hと+24hしか表示されず、その間の振れは見えませんが、予想進路線やプログラミングでは、+24hまでの風向風速予報が、ほぼシームレスに反映されるようなので、予報スライダーでは把握できない正確な風向の反転時刻などを知ることができます。ただし、これはあくまでも気象予報に基づく経路なので、予報が外れた場合は、進路も大きく外れます。
もし手間を惜しまなければ、12h後や24h後の予想到達点を拡大しながら最遠になる進路角度とプログラミング時刻を±1分・±1°単位で微調整します。
VIPユーザーが自動経路をそのままオートパイロットに設定した場合は「1時間ごとの」「Heading/直線コース」の組み合わせによる疑似的な曲線・最適コースであるのに対して、無課金ユーザーの唯一の勝てる道が、この「1分・1°単位で」「AutoTWA/曲線コース」により、シームレスな最適コースを引くことです。
VIPユーザーが高機能に加えて、このAutoTWAと微調整の手間も取った場合、艇速で劣る無課金ユーザーが勝つ術は無いわけですが(涙)
自動セールチェンジの持続時間は24hですが、切れる1時前 (23h経過)から更新できます。特に複数レースが走っているときは、この更新を忘れやすいので、朝起きた時とか、昼食を食べ終わった後とか、就寝前とか、毎日欠かさず最も規則正しく行っている自分の生活習慣に紐づけて、走っている複数レースの更新タイミングを、全てこの一日一回の定刻に揃えると、手間も少なく、不適切セールの警告を見ることは全く無くなります。
スタート後、長時間セールチェンジが必要のない区間を使って更新タイミングを遅らせることで、2~3日目には、上記の一日一回の習慣時刻に更新タイミングを合わせにいけることが多いです。
就寝中や授業/勤務時間中にスマホのアラームをセットして、私生活よりゲームを優先するのは止めておきたいですね。
VRIは無課金でも世界チャンピオンになれると思いますが、VROは無課金では、最終的には課金ユーザーには勝てません。
という主に2つの理由からです。無課金で楽しむ場合は、あまり順位にこだわらない方が良いです。
直線コースより、曲線コースが速いと前述しましたが、もう少し詳しくご説明します。
風位に対して最も高さを稼げる角度をBest VMG(Velocity Made Good)というのに対して、目的地方角に対する最速な進行角度をBest VMC(Velocity Made Course)と言います。
オフショアにおいては、Best VMGは目的地と風向が近い(なるべく登りたい・なるべく落としたい)とき以外はあまり意味を持たず、Best VMCを探すことが基本です。
上記のポーラーチャートのとおり「目的地方角 ≠ BestVMC」であることがわかります。
目的地方角とは異なるBestVMCに進路を取ると→ 徐々に目的地方角は変化し → 徐々にBestVMCも変化します。このため、BestVMCを取り続けると、通常は最速コースは曲線状になるのです。厳密にはAutoTWAとも異なりますが、直線コースよりはAutoTWAの方が近いです。
VROの画面表示はリアルタイムではなく、5分ごとに画面右上の「更新可能ボタン」を押すことで、手動で画面を更新できます。
また位置の表示も正確ではないので、特に画面を拡大してリアルタイムの手操作で島を回航する場合などは、突然位置がずれたり、座礁したりしやすいです。
既にスターボにタックしているはずなのに、艇の方向やコンパス表示はポートのまま、といった表示乱れもしばしば発生します。ログブックにはリアルタイムで正確な時刻と操作が表示されますので、進路変更が完了しているか否かを確認したい場合はや「あれ?おかしいな」という場合は、地図上の艇の向きやコンパス表示よりも、ログブックを信頼しましょう。
とても有効な戦術として「トップ選手/VIPユーザーの航跡を辿る」という方法もあります。ただし、先行艇の進路は、あくまでもその通過時刻におけるベスト進路なので、近いようでも自分がその航跡を辿るころには1~2時間も経過して風が変わっている場合も多いです。
可能な限り、自分の意志と判断で、自分がベストだと思うコースを引きましょう。
VROにおける地球は正しく丸く、表示上のメルカトル図法の歪みは、帆走時の距離と速度できちんと補正されます。ためしに拡大・縮小せずに、赤道から北極圏までスクロールをすると、画面下の縮尺が変化することがわかります。
同じ艇速で帆走すると、赤道上よりも北極圏の方が、表示上は大きく動きます。
北極圏・南極圏に近づくほど歪みが大きく、極に寄った曲線コースが最短になるので注意しましょう。
オフショアでは、様々な気象・シミュレーションサイトやVR専用の外部ツールが開発されています。VROの日本人コミュニティでシェアされていたリンクを転載します。
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