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2022年を読みかえす (KG-R)

コメント(2)

あと少しで今年(2022年)が去年になりますね。年末になると、一年を振りかえりたい気分になります。しかし、何でもかんでも振りかえっていてはキリがありません。そこで今回は、私がこの一年で読んできた本を振りかえってみることにします。
eセーリングからは離れた息抜きブログですので、興味と時間のある方はこの続きをご覧ください。eセーリングの話題は出てきませんが、ヨットや船、海が登場する本は何冊かあります。


1冊目「岬」中上健次
芥川賞受賞作。読みごたえあり。岬といえば海辺のイメージ。

2冊目「虐殺器官」伊藤計劃
言わずと知れたSFの名作。タイトルから受ける印象よりはだいぶ読みやすい。「ハーモニー」もおすすめ。

3冊目「田中英光傑作選」(西村賢太編)
個人的にめちゃくちゃ刺さった。「オリンポスの果実」には、船で海を渡るシーンや、ボート競技のシーンが出てくる。

4冊目「猛スピードで母は」長嶋有
芥川賞受賞作。読みやすくおもしろい。文庫収録の「サイドカーに犬」でしびれた。

5冊目「中陰の花」玄侑宗久
芥川賞受賞作。お坊さんだってひとりの人間。

6冊目「パノラマ島綺譚」江戸川乱歩
妖しく不気味な物語。大金があったらどんな理想郷を作ろうか。

7冊目「杳子・妻隠」古井由吉
芥川賞受賞作(杳子)。派出なことは起こらないが魅力的。

8冊目「終の住処」磯崎憲一郎
芥川賞受賞作。短くてすぐ読めるのに濃い。

9冊目「蒲団・重右衛門の最後」田山花袋
「蒲団」はもちろんよかったけど、「重右衛門の最後」もすごい。

10冊目「自生の夢」飛浩隆
しゃれてるSF短編集。「海の指」という作品が収録されている。

11冊目「おらおらでひとりいぐも」若竹千佐子
芥川賞受賞作。ド直球にいいお話。方言ずるい(褒め)。

12冊目「蛇にピアス」金原ひとみ
芥川賞受賞作。痛々しい描写があったり馴染みのない世界の話だったりするけど、ものすごくいい。

13冊目「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」村上春樹
時が経てば関係は変わっていく。主人公はやっぱりキザ。

14冊目「ボラード病」吉村萬壱
最高。こんなにおもしろくていいのか。物語の舞台は「海塚市」。

15冊目「太陽の季節」石原慎太郎
芥川賞受賞作。著者への勝手な苦手意識から読むのを避けてたけど、ヨットが想像以上に出てきてそれだけで心惹かれた。

16冊目「小銭をかぞえる」西村賢太
現代では数少ない私小説作家。個人的には「苦役列車」よりさらにおもしろかった。

17冊目「海と毒薬」遠藤周作
タイトルの「海」に惹かれ購入。海は景色としてしか出てこない。内容は酷。

18~20冊目「ディスコ探偵水曜日(上)(中)(下)」舞城王太郎
とてもおもしろい分、とても長い。水曜日の「水」もセーラーとしては親近感があり選びやすいかも。

21冊目「介護入門」モブ・ノリオ
芥川賞受賞作。舞城の文体と似て非なるところあり。

22冊目「ラジオデイズ」鈴木清剛
文藝賞受賞作。ザ・平凡な日常。でもそこに何かある。

23冊目「堕落論」坂口安吾
坂口安吾の考え方を知れる。

24冊目「死者の奢り・飼育」大江健三郎
芥川賞受賞作(飼育)。文庫に収録されたどの短編も興味深かった。

25冊目「ハミザベス」栗田有起
すばる文学賞受賞作。くすっとしたり、じわっときたり。

26冊目「唐草物語」澁澤龍彦
幻想的な短編集。古典や歴史に詳しくない私でも十分楽しめる。もうすこしマジメに勉強してきたらもっと楽しめただろうと後悔。

27冊目「時が滲む朝」楊逸
芥川賞受賞作。最後の最後でぐっときた。すごい。

28冊目「しんせかい」山下澄人
芥川賞受賞作。他では読めない物語がここに。

29冊目「金を払うから素手で殴らせてくれないか?」木下古栗
表題作とかわけわからなくて好き。わけわからないのに読後感が良いから困る。

30冊目「夫婦善哉」織田作之助
物語も文章もおもしろい。愛すべきダメ男。

31冊目「袋小路の男」絲山秋子
川端賞受賞作。表題作もいいが文庫収録の他短編もいい。

32冊目「ア・ルース・ボーイ」佐伯一麦
三島賞受賞作。なんかいいんだよなあ。

33冊目「夜叉ヶ池・天守物語」泉鏡花
幻想的な戯曲。鏡花作品の中では比較的読みやすいか。

34冊目「送り火」高橋弘希
芥川賞受賞作。子供のいじめとか出てくる話。

35冊目「かもめのジョナサン」リチャード・バック
かもめは「海」の鳥。速く飛ぶための練習をするかもめの姿勢がかっこいい。

36冊目「万事快調」波木銅
松本清張賞受賞作。表紙とあらすじだけで惹かれ、期待を超えるおもしろさ。

37冊目「二匹」鹿島田真希
文藝賞受賞作。文章自体はやさしいけど、内容は難しいかも。これも文学。

38冊目「にごりえ・たけくらべ」樋口一葉
著者は誰もが知ってるのに、国語で作品をあまり扱われない樋口一葉。言葉遣いは若干現代とずれてて読むのに時間がかかったけど、ちゃんと名作でした。

39冊目「The Old Man and the Sea」ヘミングウェイ
「老人と海」の英語版。もろに舞台が「海」で「船上」。英語でもわかる、この物語のすばらしさ。

40冊目「山頭火俳句集」(夏石番矢編)
教育テレビきっかけで購入。これを読んで山頭火の大ファンになった。

41冊目「夏の水の半魚人」前田司郎
三島賞受賞作。「夏」「水」「魚」。物語の大部分は陸上だが、重要な場面で海が。とてもよかった、本当に。

42冊目「ひとり日和」青山七恵
芥川賞受賞作。心に残る。出会いと別れ。

43冊目「ヴィヨンの妻」太宰治
短編集(文庫)だからか、さらさら流れてしまうような感じはあったが、随所に良い場面や言葉あり。

44冊目「パーク・ライフ」吉田修一
芥川賞受賞作。公園をメインにした物語ってあまり見かけない。楽しみやすいが、ちょっと深いところも。

45冊目「吾妹子哀し」青山光二
川端賞受賞作。魂の小説。とにかく読んでほしい。

46冊目「尾崎放哉句集」(池内紀編)
自由律俳句といえば、山頭火だけでなくこの人も外せない。かっこいい。

47冊目「雪沼とその周辺」堀江敏幸
川端賞受賞作(スタンス・ドット)。短編集。すべて良作。

48冊目「風と光と二十の私と」坂口安吾
短編集。ほぼ私小説で超好き。いつかのブログで話題に上げたが、この中の1作で安吾がヨットに乗った話が出てくる。

49冊目「流卵」吉村萬壱
すごく危なっかしい世界を見た気がする。でも主人公の気持ちをわかってしまうような気もする。いいぞ~。

50冊目「ロックンロールミシン」鈴木清剛
三島賞受賞作。この著者は若者を描くのがうまいんだなあ。

51冊目「ずぶぬれて犬ころ」住宅顕信
これも自由律俳句集。著者は早逝の俳人。純粋な喜びを見事に描くお方。

52冊目「カキフライが無いなら来なかった」せきしろ, 又吉直樹
現代の自由律俳句集。息抜きにおすすめ。又吉関連の本を読むのはこれが初(「火花」はまだ買うの避けてます。もうそろそろ買おうかな)。

53冊目「日蝕」平野啓一郎
芥川賞受賞作。序盤はやや難解だがその先に妖しくも美しいシーンが待っている。

54冊目「仮面の告白」三島由紀夫
平易な文章で読みやすく、三島の根っこの部分を知れる。

55冊目「黒い雨」井伏鱒二
野間文芸賞受賞作。原爆投下後の広島の様子が克明に記録されている。日本人にとっても世界中の人にとっても必読書。

56冊目「まさかジープで来るとは」せきしろ, 又吉直樹
現代の自由律俳句集。「カキフライ~」よりもパワーアップしてる気がした。

57冊目「魚雷艇学生」島尾敏雄
野間文芸賞&川端賞受賞作。水上の特攻兵器「震洋」の部隊にいた著者の壮絶な体験記。タイトルや内容の重さに反して、文章はやさしい。これも必読書。

58冊目「しょっぱいドライブ」大道珠貴
芥川賞受賞作。やさしすぎるおじいさんっているよなあ。

59冊目「海神丸」野上弥生子
実際の海難事故を基にした話。荒れた海と、極限状態の人間は怖い。

60冊目「シンジケート」穂村弘
歌集。短歌ってどんなもんだろうと気になり購入。感性がすごい。

61冊目「世界で一番すばらしい俺」工藤吉生
歌集。校舎から飛び降りたり車にはねられたりしたときの歌って、この人くらいしか詠んでないんじゃないか。

62冊目「感電しかけた話」伊舎堂仁
歌集。題名どおり、感電死しかけたときの話が載ってる。前衛的な歌が多数。

63冊目「かけら」青山七恵
川端賞受賞作。文庫は名品ぞろいの短編集。ほれぼれしちゃう。

64冊目「海峡の光」辻仁成
芥川賞受賞作。青函連絡船が出てきたり、囚人が船舶の実習をしたりとけっこう船かつ海。一つ一つのエピソードがとてもおもしろい。

65冊目「閨房哲学」マルキ・ド・サド
人によっては危険な書物。サドの思想、哲学を知れる。最近よくニュースで見聞きする、誹謗中傷や人道についての考えとか。

66冊目「寂しさでしか殺せない最強のうさぎ」山田航
歌集。ほっこりしたり、くすっとしたり。いい意味であまり尖ってない。

67冊目「消滅世界」村田沙耶香
あるものが戦後に消滅した平行世界の話。どんな人も生物も物も世界も変化の途中。

68冊目「鴉と戦争」朽木祐
歌集。パスタの連作がよかった。全体的に世界観が好き。

69冊目「夢のなかの夢」タブッキ
過去の芸術家たちが見た夢を想像して描かれた話。何個かお気に入りの夢が見つかるはず。短い夢が複数まとまった作品としては、夏目漱石「夢十夜」、夢野久作「怪夢」などもおすすめ。


以上です。
年が明けるまでにもう一冊読めたら、後ほど加筆しておきます。

「この本読んだことある!」
「気になったのでこれ読んでみます!」
「読んでみました! ~でした」
「海や船が出てくる本ならこれはいかが?」
などなど、ぜひコメントをお寄せください!

良い年末年始を~

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コメント(2)
  • 2. KG-R 管理者

    >>1
    僕は紙派です!
    のぞいてみてください~

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  • 1. ポリんすりー

    アッパレ約70冊!やはり電子書籍?どれか覗いてみるべ〜

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